イプシロンロケット試験機打ち上げ成功

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イプシロンロケット試験機打ち上げ成功
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宮原一般見学場から打ち上げの瞬間を見守る見学者たち

イプシロンロケット打ち上げ成功


発射の瞬間(クリックで拡大します)
発射の瞬間

飛翔を続けるイプシロンロケット(クリックで拡大します)
飛翔を続けるイプシロンロケット

森田プロジェクトマネージャ(クリックで拡大します)
森田プロジェクトマネージャ
 平成25年9月14日(土曜日)午後2時00分、イプシロンロケット試験機による惑星分光観測衛星「SPRINT-A」の打ち上げが内之浦宇宙空間観測所にて行われ、打ち上げおよび衛星の分離・軌道投入に成功しました。

 参考リンク:
イプシロンロケット試験機による惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打上げ結果について(JAXA)

 肝付町からの衛星搭載ロケットの打ち上げは平成18年9月のM-V-7号機以来7年振りのことであり、肝付町では6箇所の公式見学場を設けて対応に望みましたが、予想を大きく上回る約2万人もの見学者が訪れ、町内は多くの車で溢れました。

 船舶接近のため打ち上げが15分延期されましたが、カウントダウンが始まると各見学場では大合唱が始まり、イプシロンロケットが轟音とともに空に飛び立つと大きな拍手と歓喜の声が上がり、中には感極まって涙を見せる見学者の姿も見られました。

 参考リンク:イプシロンロケット打ち上げに係る一般見学について



2度の延期を乗り越えて


 イプシロンロケット試験機の打ち上げは、当初8月22日に予定されていましたが、地上装置とロケットをつなぐ配線ミスが発見されたことで8月27日に延期されました。8月27日には約1万5千人の見学者が打ち上げの瞬間を見守っていましたが、ロケットと地上設備の通信に0.07秒のずれがあったことでコンピューターがロケットの姿勢を異常と検知。発射19秒前に自動停止していました。

 参考リンク:
イプシロンロケット試験機による惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打上げ延期および打上げ時間帯の変更について(JAXA)
 参考リンク:
イプシロンロケット試験機打上げ中止の原因究明状況について(JAXA)

 これに対し宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、特別点検チームを結成。約2週間かけて全ての項目を総点検して臨んだ打ち上げでの成功でした。


 打ち上げ後の記者会見の場で森田泰弘イプシロンロケットプロジェクトマネージャは、「これほどきれいな打ち上げは今までなかった。応援に心から感謝したい。」と嬉しそうに語り、また「イプシロンが新しい時代の幕を切って落とした。これからが本当の勝負。イプシロンをさらに進化させ、小型衛星とのコンビで面白いミッションをこなしていきたい。」と今後の抱負について語りました。

惑星分光観測衛星「ひさき」


報道公開されたSPRINT-A(クリックで拡大します)
報道公開されたSPRINT-A


澤井プロジェクトマネージャ(クリックで拡大します)
澤井プロジェクトマネージャ


火崎から太平洋を望む(クリックで拡大します)
火崎から太平洋を望む
 イプシロンロケットによって午後2時00分に打ち上げられた惑星分光観測衛星「SPRINT-A」は、打ち上げ後約61分39秒に正常に分離されたことが確認され、その愛称は「ひさき(HISAKI)」と名付けられました。

 衛星「ひさき」は所定の軌道に投入され、太陽電池パドルの展開、太陽補足等のイベントについて正常に行われていることが確認されており、今後は約2ヶ月程度かけて初期のチェックを行い、本格的な観測運用を開始する予定になっています。

 参考リンク:
惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)(JAXA)


「ひさき」の由来


 打ち上げ後の記者会見で澤井秀次郎SPRINT-Aプロジェクトマネージャは、「火崎は内之浦で最初に朝日が当たる場所であり漁の安全を祈願する場所。イプシロンもまた内之浦を旅立つ船であり、衛星の航行の安全を祈願する意味からも『ひさき』とした。」と命名の理由を説明しました。

 参考リンク:
惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の太陽電池パドル展開および衛星の愛称について(JAXA)

 なお、肝付町内の地名が惑星や惑星の地形の名称として名付けられたことはこれまでもありましたが、衛星の名称として名付けられたのは初めてのことです。7年振りの衛星搭載ロケット打ち上げに加え、馴染みのある地名が衛星に付けられたことは、肝付町にとって2重の喜びとなりました。

「火崎」について


 肝付町津代半島の突端に位置する火崎は、断崖絶壁の男性的な景勝地で、太平洋から強い潮風が吹き付ける急斜面上にはソテツが繁茂しています。

 ソテツは「生きた化石」とも言われており、中国南部から台湾、琉球そして九州南部の一部にだけ分布している亜熱帯植物です。火崎は、このソテツの自生する北限地として1923年に国の特別天然記念物に指定されています。

 また、火崎にある御崎(火崎)神社には、海上安全の守護神、底筒男命(そこづつおのみこと)、中筒男命(なかづつおのみこと)、上筒男命(うわづつおのみこと)の三神が祭られており、衛星「ひさき」の命名由来となったように、漁業に携わる人たちの豊漁と航海安全の祈願所ともなっています。

 なお、火崎への道は幅員が狭く、離合ができない道路が続きます。駐車スペースから先端部までは急勾配で大変滑りやすい山道ですので、見学等の際は十分にご注意ください。

 参考リンク:火崎のソテツ自生地