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四十九所神社の流鏑馬(昭和56年3月27日指定)
四十九所神社
四十九所神社は、肝付氏の祖である伴兼行が薩摩掾(さつまのじょう)に任命されて下向する際に、伊勢神宮から勧請して永観2年(984年)に創建したとされています。元肝属郡の惣社として崇められ、戦前は県社に指定されていました。
四十九という名の由来は、ここに合祀する祭神の総数(天神七代、地神五代ほかの神々合計49柱)によります。
※掾:日本の律令制四等官[地方行政単位である国の行政官として中央から派遣された官吏で、守(かみ)、介(すけ)、掾(じょう)、目(さかん)]の三等官のこと。
流鏑馬 ―そのとき、13歳の少年は神になる―
馬場歩き
神事「弓受けの儀」
流鏑馬(やぶさめ)は、国家安泰、五穀豊饒、悪疫退散を祈願する年占いで、今もこの願はこめられています。流鏑馬の語源は、騎射の一種で、疾走する馬上から鏑矢で的を射るので流鏑馬の字が使われています。
日本における流鏑馬の起源には諸説あります。永長元年(1096年)に白河上皇が流鏑馬を観覧された記録があります。また鎌倉初期の保元物語・平治物語の中にも流鏑馬のことが出ています。
四十九所神社を創建した伴兼行の孫、伴兼貞が長元9年(1036年)に肝付郡の弁済使になっていますが、高山で流鏑馬が始まったのはそれから100年ほど後になるようで、900年近い歴史があるとされています。
流鏑馬の期日は、昔は10月19日の四十九所神社大祭日でしたが、現在は10月第3日曜日に行われています。
人馬一体の瞬間
狩衣装束にあやい笠を身にまとい、弓受けの儀により神の使いとなった射手は神馬とともに馬場を疾走します。
約330メートルの馬場を3回駆け抜けながら、合計9本の矢を放ちます。
引手のかけ声と共に駆け出し、矢が的に命中した音と馬の疾走する足音が共鳴した瞬間、大きな歓声が響きます。
馬場を駆け抜ける間は、馬の足音、射手のかけ声のみが馬場に響き渡り、観客を含め周辺はまるで時間が止まったかのように射手と馬だけが時間を感じる瞬間です。
射手は初心者
全国的に成人の射手が多い流鏑馬ですが、肝付町で行われる流鏑馬の射手は中学生が務め、毎年変わります。
8月の中旬に、中学2年生の生徒1名が射手として決定し、その後馬に乗るところから始まり、約1ヵ月の練習を経て本番を迎えます。
射手として決定された少年は、その年の町一番の大役を任せられ、受けるプレッシャーは計りしれません。射手を務める少年は、この中で保存会員の人たちや応援する人達に支えられ、また、様々な教えを受けて一回り大きく成長していくのです。
歴代射手一覧
令和5年度 中村考晴
令和4年度 吉永昊志朗
令和3年度 松元結希
令和2年度 橋口晋賀
令和元年度 中野紅
平成30年度 大園悠馬
平成29年度 増田蓮
平成28年度 近藤祐生璃
平成27年度 増田啓吾
平成26年度 川野雅
平成25年度 吉松大志
平成24年度 益山麗斗
平成23年度 宮本晴生
平成22年度 伊倉滉大
平成21年度 有馬耕大
平成20年度 武下英敏
平成19年度 白坂拓也
平成18年度 小野神有
平成17年度 福元司
平成16年度 松相大太
平成15年度 川野晃平
平成14年度 有島裕之
平成13年度 永野万里
平成12年度 宮地竜巳
平成11年度 柳崎大樹
平成10年度 藤井圭輔
平成9年度 一松陽介
神事 流鏑馬の流れ
◆8月
射手決定
◆9月初旬
旧国鉄大隅線の跡地で練習開始
◆9月下旬
本番会場である四十九所神社前(宮之馬場)で練習開始(午後4時頃より)
◆本番(奉納)2日前
柏原にて「汐がけ」を行い、馬と射手を海水で禊ぎ清める
これより本番当日まで宮籠りを行う
(かつては四十九所神社に籠っていましたが、現在は役場コミュニティセンターに寝泊りします)
◆本番当日
四十九所神社にて「弓受けの儀」
流鏑馬開始
高山やぶさめ祭
武者行列パレード
やっさん(やぶさめ)踊り
祭りムード一色に
肝付町では、伝統行事「流鏑馬」にちなみ「高山やぶさめ祭」を開催します。
当日は、町中心部に位置する高山橋河川敷広場でえっがね(伊勢海老)味噌汁の無料配布、豚肉の試食など様々なイベントが行われ、町内外から多くの人々が訪れます。また、剣道大会やソフトボール大会なども併せて行われ、町は賑やかなお祭りムード一色に包まれます。
やぶさめ祭り
お問い合わせ先:
肝付町役場林務水産商工課 電話:0994-67-2116
肝付町商工会 電話:0994-65-2226
- この記事に関するお問い合わせ先
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肝付町立歴史民俗資料館
〒893-1207 鹿児島県肝属郡肝付町野崎1936
電話番号:0994-65-0170
ファックス:0994-65-0170
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更新日:2023年12月05日